2017年11月29日

DESTINY 鎌倉ものがたり

kamakuramonogatari.jpgDESTINY 鎌倉ものがたり

■製作:2017年 日本
■監督:山ア 貴
■主演:堺雅人、高畑充希
□評価:★★★ Max=3

ミステリー小説の作家の一色正和と出版社の正和担当だった歳若い亜紀子は結婚し、鎌倉の古びた正和の自宅で暮らすことになる。
新婚旅行から帰った二人の前を河童が通っていく。驚く亜紀子に正和は平然と「鎌倉は何千年も昔から妖気が漂い、普段から怪奇なことが起こる。でも直ぐに慣れるよ」と話す。
だが、その家や鎌倉の街の怪奇現象に、亜紀子は戸惑ってしまう。その後、昔からの家政婦・キンの”その現象が生活の一部”であるような姿もあり、亜紀子は妖怪の住む鎌倉での生活に徐々に溶け込んでいく。
ある時、正和が家の天井に住み付いた貧乏神を引き摺り下ろして退治しようとするが、亜紀子は可哀想だと食事と寝場所を用意する。貧乏神が家を出て行く時に、亜紀子はご飯茶碗の交換を申し入れ、貧乏神の古い茶碗を宝物のように大事にする。

正和といえば、本業は出版社を悩ませるほど遅筆、その傍ら鉄道模型に熱くなるなど多趣味、また、魔物や幽霊がからむ厄介な事件の解決で鎌倉警察署の心霊捜査課に協力もしている。
そんなある日、亜紀子が街の石段で魔物に襲われ、黄泉の国へと連れ去られてしまう。正和は黄泉の国へ行き愛する亜紀子を取り戻そうと決意する。

西岸良平の人気漫画「鎌倉ものがたり」を、「ALWAYS」シリーズや「永遠の0」の山崎貴監督が映画化(「ALWAYS」シリーズも西岸が原作者)。人間とともに妖怪や幽霊が生活する鎌倉を舞台に、ミステリー作家とその妻が奇怪な事件を解決していくストーリー。
山ア監督は、多彩なキャスティングと得意なVFXにより、ユーモラスでファンタジスティクなドラマに仕上げている。キャストは、ミステリー作家を「真田丸」の堺雅人、その妻を「とと姉ちゃん」の高畑充希。共演には、山崎組常連の堤真一、三浦友和、薬師丸ひろ子などに加え、安藤サクラ、田中泯、國村隼、中村玉緒、橋爪功、吉行和子など豪華俳優が集結した。

平日の夕方6時半からの試写会上映。普段は空席の多いシネコンだが、山ア組映画の根強い人気なのか最前列の席まで埋まり、ほぼ満席の入りだった。
映画自体は、ストーリーが読めない意外でユーモアある展開が堪らなく面白い。ベテラン俳優の長けた芝居と、やわらか感のあるVFXにより、映画の中に引き込まれた。エンドロールでの宇多田ヒカルの歌が終わった後でも、ほんわかとした気持ちが残り続けるファンタジードラマだった。
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2017年10月09日

ナミヤ雑貨店の奇蹟

namiyazakkatennokiseki-2.jpgナミヤ雑貨店の奇蹟

■製作:2017年 日本
■監督:廣木隆一
■主演:山田涼介、西田敏行
□評価:★★☆ Max=3

共に養護施設出身で幼馴染の敦也・翔太・幸平の三人は、2012年のある夜、強盗に入った後で夜を明かすため「ナミヤ雑貨店」の看板のある一軒の廃屋に忍び込む。その店はかつて歳をとった店主の浪矢雄治が町の人の悩み相談を手紙で受け、手紙で返信することで知られていた。
当然現在では店は廃業しているのだが、深夜にシャッターの郵便口から手紙が落ちてきた。その手紙は、32年前1980年に書かれた悩み相談で、郵便口はその時点と繋がっていた。敦也たちは困惑しながらも、当時の浪矢店主に代わって返事を書くことにする。そして、返事の置き場所として決められている牛乳箱の中にそれを入れた。そうすると、また手紙が投函される。
次第に三人が育った養護施設と店主浪矢の関係が明らかになってくる。

800万部を超える東野圭吾の同名小説を、「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一監督が映画化。古い雑貨店を舞台に、悩み相談を受ける老店主と養護施設育ちの若者3人との時空を超えた交流を描いた一夜のファンタジー。
主演は、敦也役に「Hey! Say! JUMP」の山田涼介、店主役に西田敏行。準主演は、翔太役の村上虹郎(俳優の村上淳の息子)、幸平役の寛一郎(俳優の佐藤浩市の息子)。その他に、尾野真千子、萩原聖人、門脇麦、林遣都、成海璃子などが共演している。
現在と過去が手紙でつながる時空を超えてのストーリー仕立てだが、それ故にあちこち飛んで分かり難い(原作を読んでなくて申し訳ないが)。また、これは致し方ないのだが、敦也・翔太・幸平役の若い三人だけのシーンの芝居にわざとらしさが見え、西田や萩原などベテラン俳優との演技力を見せ付けられた。更に、雑貨店のセットや大道具が少々雑に思えた。
posted by らいむ at 20:56| Comment(0) | 映画寸評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月10日

三度目の殺人

sandomenosatsujin.jpg三度目の殺人

■製作:2017年 日本
■監督:是枝裕和
■主演:福山雅治
□評価:★★★ Max=3

弁護士の重盛は、これまで担当した公判では勝利にこだわってきた。
ある時、重盛は殺人容疑のかかった三隅という男の弁護をする事になる。その男は、30年前に強盗殺人の前科があった。
今回の三隅は、解雇した工場の社長を殺して金銭を奪い、火をつけた容疑で起訴されている。三角が犯行を自供していることから、この裁判では初めから有罪は免れず、「負け」が決まったようなものだった。
やむを得ず弁護をすることになった重盛だったが、三隅との面会を重ねるうちに犯行動機が釈然とせず、その犯行に疑問を持ち始める。

是枝裕和監督が自らオリジナル脚本を手がけ、主演の福山雅治と『そして父になる』以来2度目のタッグを組んだ法廷心理ドラマ。是枝作品には初参加となる役所広司が殺人犯・三隅役で福山と初共演を果たしている。また、是枝作品「海街diary」で末妹役に抜擢した広瀬すずを、今回は犯行の鍵を握る被害者の娘役に配し、それに応えた広瀬の成長した演技力が光っている。そのほか、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、市川実日子といった確かな演技力の面々が顔を揃えている。
是枝監督は、この作品のテーマは「人は人を裁けるのか」と話したと聞く。何度も出て来る真実に迫ろうとする弁護士と犯人との面会室での凌ぎを削るような会話にもそれが見え、また、役者同士の戦いも見て取れる。
ネタバレにはなるが、裁判は有罪判決で終結、観客に謎を預けまま124分のエンドとなり、これまでの法廷物のようなスッキリ感はなく、少々疲れが残った。
ベネチア映画祭では金獅子賞は届かなかったが、コンペティション部門の日本から唯一の出品作の健闘に拍手を送りたい。
posted by らいむ at 10:22| Comment(0) | 映画寸評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする